初めての尾瀬と至仏山登山

やまのぼり

東京から尾瀬へのアクセス

コロナの前、7月の連休といえば、日光の中禅寺湖のキャンプ場に子供を連れて行くのが定番だった。その時に、関越道の沼田インターから120号線を走りながら、尾瀬方面にはいつか行きたいと思っていた。左に曲がれば尾瀬、まっすぐ行けば日光、という分岐が片品村にあって、夢のある三叉路やなぁと。
今年の7月の連休は、思い切って尾瀬に行くことにした。どうせ行くなら山登りでしょ、ということで、ターゲットは至仏山に決めた!
尾瀬のゲートウェイで一番有名なのが、鳩待峠。マイカー規制がされているので、戸倉の尾瀬駐車場に停めて、バスか乗合タクシーで鳩待峠に向かう。だいたい30分。戸倉の駐車場には新宿から深夜バスも出ているようなので、尾瀬は人気であることがよく分かる。
夜22:00くらいに車で東京を出て、戸倉に到着したのは、夜中の2時くらい。戸倉駐車場から鳩待峠の始発バスが5時なので、2〜3時間は車の中で仮眠。雨が激しかったけど、眠さが勝って、割とぐっすり寝ることができた。

朝4時過ぎには明るくなってきて目が覚めた。雨はまだ結構降っている。予報では朝には雨は止む。前もって買っておいたサンドイッチを朝食に食べて、着替えや荷物の確認をする。始発バスに乗り込む頃には予報通り雨は止んでいた。

鳩待峠〜山の鼻

鳩待峠から山の鼻は50分くらい。行ってみるまでは分かっていなかったのだけど、200mくらい標高を下げる形。木道は整備されているので歩きやすいんだけれども、雨上がりは濡れているので滑りやすく注意が必要。でも山の鼻に到着する頃には晴れ間が見えて、気持ちの良い朝のウォーミングアップとなった。
この木道だけど、進行方向の右側を歩くというルールがある。特に現地でそういった看板などは見かけなかったが、尾瀬関連のWebサイトにはそういった記述が見られるので、間違いないルールだとは思う。例えば、尾瀬マウンテンガイド など。他にも木道以外のところには立ち入らない、ゴミは持ち帰る、植物は採取しない、など。意外だったのは、歩荷さんに挨拶しない、というルールも書かれていた。長く登山をしているが、挨拶は良い行為だと思うし、歩荷さんのおかげで快適な山旅が出来ているので、感謝の気持ちを伝えたくなるもの。歩荷さんは大変なお仕事をされているので、挨拶に応えられないのは十分理解はできるので、その点をよく分かった上で、すれ違った時などは、心の中や小さな言葉で「ありがとうございます」と挨拶すれば良いのでは、と個人的には思います。

山の鼻はビジターセンターや山小屋、テント場もあって尾瀬ヶ原のトレッキングや、至仏山の登山口の拠点となっている。至仏山に登りはじめるとトイレや小屋もないので、お手洗いをすませておいた方がいいし、水や食料もここで準備しておきましょう。私も念のため2本お茶を追加で購入した。たまたま私が利用した売店がそうだっただけかもしれないが、水のペットボトルは販売されていなかった。飲める水は小屋近くで提供されているので、空きボトルがあれば補充しておくことができる。ちなみに、朝7時くらいには小屋の売店は開いていました。ビジターセンターはまだ閉まっていたかな。

至仏山に登る前に少し尾瀬ヶ原を歩いてみた。とても雄大な湿原で、みんな尾瀬に来たがるのがよく分かる。上の写真は尾瀬ヶ原から見る至仏山で、山頂近辺に月が見えて、何とも神秘的な一枚になった。今度は登山ではなく、のんびり尾瀬を散策したいと思う。来年は山の鼻でキャンプなどして、そうしようかとも思う。

至仏山を背に向けると、尾瀬ヶ原の反対側には燧ヶ岳が見える。朝から最高の景色。いつか燧ヶ岳にも登りたいと思う。

至仏山登山スタート

では準備を整えて、至仏山への登山スタート。研究見本園から至仏山東面の登山道がある。このルートは登り専用で、下山には使えない。なので、ここから登ったら、稜線を歩いて小至仏山を経由して鳩待峠へ降っていく周回コースとなることが必然。
下山に使えないのは、植生の保護や、登山道が蛇紋岩で覆われていて滑りやすく下山には危険、という理由らしい。

もう恐竜とか出てきそうな雰囲気。尾瀬は8000年前からの自然の姿を留めているらしい。観光客が多く押し寄せたであろう戦後の日本でも、あまり観光地のようにせずに、この自然の姿を残してくれて、ありがたい、と心から思う。登山のスタート地点、研究見本園の動画はこちら

1時間くらい登ったところ。尾瀬ヶ原が一望。燧ヶ岳は雲の中。至仏山登山はずっと急登なんだけど、この景色を見ると元気が出るし、ここでずっとこの景色を見ていたいところ。

この黄色い岩が、至仏山特有の蛇紋岩。滑りやすく、雨の後は特に注意が必要。
2箇所くらい鎖場もあったが、滑りやすいところに設置されているので、うまく鎖を使って登るのが良さそう。動画はこちら

木道は、傾いていたり、崩壊寸前のようなところもあるので、一歩一歩確かめながら歩いた方が良い。歩きやすそうに見えて、実は結構神経を使う。
この辺りは高山感があって、本当に、天に登って行くような木道やった。
「至仏山」というからには、仏教と密接な関係があるのか、と思いきや、どうやらそうではないらしい。この木道を登っていると「仏に至る」ような道にも思えてくるが、山頂に仏像や寺院があるわけでもなく、修験道のようなものもない。あの深田久弥さん著の「日本百名山」によると、至仏山に流れるムジナ沢という沢が「ムジナッツァワ」と発音されていて、ある土地の方はこの沢を渋沢「シブッツァサワ」と呼んでいて、その最初の3文字から「至仏」と宛字があてられた、と推測されている。山の名前や地名ってそんなものではあるので、妙に納得感はある。

高天原まで来たら、山頂まではあと少し。30分くらいかな。
本格的なのぼりが続いていたので、まだ登るのかぁ〜と山頂を見てしまうところ。

山の鼻から登り始めて3時間弱くらいで至仏山山頂に到着。
少しガスっていたけど、時折晴れて、景色が最高。もう少し晴れていたら、武尊山や平ヶ岳も見えたのだと思う。
7月でも山頂は、23度くらいで過ごしやすく、この日は風も穏やかで、ゆっくり休憩と食事を取ることができた。
山頂の動画はこちら

山頂から鳩待峠へ下山

午後から天気が下り坂という予報だったので、早めに下山へ。稜線を歩いて鳩待峠へ戻る。
少し下山したところで振り返ってみた、至仏山の山頂。こっちから見る山頂もカッコいい。

なかなかハードな岩場が続いて、滑りやすくもあるので、慎重に。
まずは先に見える小至仏山のピークへ。
この稜線の左右(東と西)で景観が異なるので、そういう視点でも楽しめる稜線歩き(動画はこちら)。

山の隆々とした姿と、空と雲が、綺麗で、絵に書き起こしたくなるような風景。

至仏山の山頂からは40分くらいで小至仏山の山頂。ここまでは結構荒々しい岩場の登り下りで、天気が良ければ景色もいいので、関東近郊では有数の稜線歩きルートになると思う。稜線上にオヤマ沢田代という湿原があり、初夏はワタスゲという白い花が見られるので、景色はもちろん稜線でも高山植物は見られる。オヤマ沢田代の動画はこちら

少し霧が晴れて、尾瀬ヶ原と燧ヶ岳が見えた。この景色が見たくて今回ここに来たので、大満足のやまのぼり旅になった。この後、90分くらい歩いて鳩待峠まで無事下山しました。
詳しくは、YouTube動画を見てみてください!

活動データは、Yamapをご参考に。
https://yamap.com/activities/18466601

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