南高尾セブンサミッツを歩く

やまのぼり

脱・高尾山

高尾山はとても魅力のある山です。「ミシュラン3つ星」、「日本一登山者の多い山」、「世界でも有数の動植物の多様性が見られる山」、「都心から近い」、「初心者にもおすすめ」、「ケーブルカーやリフトもあるので子供も安心」、「山頂からは富士山が綺麗に見える」、と魅力をあげるとキリがありませんね。私も高尾山は大好きで、よく登りに行きます。
でも登山をやっていると、色んな山に登りたくなるし、より標高の高い山、より難しい山、より自然を感じることができる山、とステップアップしたくなるものです。でもなかなか何日も休みを取ることもできなかったり、家族がいると自分だけ山に行くわけにもいかないし、高尾山くらいの近さで、もうちょっと登り応えがあって、人の少なく自然深いところがあったらええのになぁ〜と。
あるんですよ、そういうところが!! 今日は南高尾セブンサミッツと呼ばれるところをブログで取り上げたいと思います。

南高尾セブンサミッツって?

高尾山から20号線を挟んで南にある山稜で、南高尾山陵とも呼ばれるエリアがあります。孤を描くように、いくつもの小峰と峠が連なっていて、代表的な7つの山頂をセブンサミッツと言います。
西側から、大洞山、金毘羅山、中沢山、入沢山、泰光寺山、榎窪山、草戸山、の7峰。高尾山によく行く人でもあまり知らないかもしれませんね。いずれも標高は300〜500mくらいですので、高尾山より低いです。
今回はこの地図のように、大垂水峠から出発して、ぐるっとセブンサミッツを巡り、高尾山口駅に戻りました。大垂水峠には、高尾山口からバスが1日3本出ていて、15分ほど乗ったところの大垂水バス停で下車します。
地図を見ていただくとわかりますが、いつものように高尾山へ登って、そこから小仏城山の方の稜線を歩いて一丁平から大垂水峠へ下る道があるので、そういったルートを選べば周回することも可能ですね。ルートがハート形になるので「ハートルート」って呼ばれているようです。

Yamapの活動レコードを参考にしていただけると、コースタイムのイメージも沸くと思います。私の場合は、休憩をしながら、約4時間でした。ほぼ木陰の中を歩けますが、30度は超えてはいたので、流石に最後の方は少しヘバッてました。途中、トイレや茶屋も自動販売機もないので、水分や食料はしっかり準備が必要です。この点は高尾山とは大きな違いなので、初めて高尾山以外の山を歩く、といった方は、水と食料、スマホ(GPS)は必須で持ってもらったほうがいいですね。私の持参したものを参考までに。
・水(お茶)500mlのペットボトル4本分
・食料 : カップ麺、コンビニのバームクーヘン、どら焼き
・スマホ(GPS)

GPS機能はあったほうが安心です。標識は多いので迷うことはありませんが、巻道や山稜を外れる分岐は多いので、何回か心配になることはありました。自身が間違いないところを歩いている、という安心感があれば、初めてのルートでも楽しむことができます。道自体はとても歩きやすく、危険な箇所もありません。

コース前半にクライマックスがあった

高尾山口から大垂水バス停を降りて、そのまま進行方向(相模湖方面)に5分ほど坂を登る形で歩きます。歩道橋が見えてくるので、その歩道橋を渡るために道路を反対側に渡っておきます(横断歩道はないので、車には十分注意!峠道なので見通しもイマイチです)。歩道橋をくぐったところにスロープがあるので、そのスロープを上って、さっきくぐった歩道橋を渡ります。ここが登山スタート地点です。
これも全然知らなかったのですが、高尾山、奥多摩、秩父、筑波山、九十九里浜、房総、三浦半島、丹沢などを結ぶ総距離1800kmにもなる「関東ふれあいの道」という長距離自然歩道の一部にもなっているようです。こういうロングトレイルのようなものが日本にもあるのですね。いつか歩いてみるのも楽しそうです。今回のルートはこの「梅の木平」の方面をひたすら目指していくのですが、この梅の木平が関東ふれあいの道の起終点のようです。行ったことはありませんが、いつか行ってみたいと思います。

そして今回最初のピーク、大洞山です。大垂水峠からは20分でした。小さく書かれていますが、標高は536m。南高尾セブンサミッツの最高峰になります。ですので、このあと歩く道は基本的には標高を下げていくコース設定にはなります。

次は金毘羅山。現地にはカタカナで「コンピラ山」とありました。標高は514m。多摩丘陵によくある裏山の公園みたいなところです。動画はこちら

こんなリュック掛けもあって、どなたが制作や整備をされているんでしょうかね。このコース全体として、標識やベンチがかなり設置されていて、道も歩きやすく整備されていて、感動しながら歩いていました。こういったリュック掛けは他の山では見たことがないので、遊び心というか、ホスピタリティの高さも、気に入りました。

このコースはずっと峠と峰が繰り返されるのですが、前半は峰に上がる道と巻道があって、最初は元気なので巻道ではなく峰に上がる直登ルートを好んで歩いていました。中にはセブンサミッツにはカウントされない名も無い山頂もありました。

3つ目のピークは中沢山(494m)。ちょうどお昼時でもあって、何人かのハイカーがランチしていました。

中沢山の山頂には、菩薩様がありました。どういった所以があるのか、調べた中ではあまり情報はありませんでした。

今回の南高尾セブンサミッツ巡りのクライマックスかもしれない、見晴らし台です。最高の景色でした。眼下に見えているのは津久井湖の一部ですね(右下)。橋がかかっていて、流れ入る川は道志川。左側は津久井湖ゴルフ倶楽部。右手に見える山がおそらく石老山ですね。遠くの雲にかかっているのが大室山とかになると思います。バラバラだったこのあたりの土地勘や方向感覚が繋がった気がします。自然だけではなく里山な生活感もあって、この景色はいつまでも見ていられそうでした。
動画はこちら

ハードめなトレッキングになる後半

割と早いうちに、こんな絶景を拝めてしまったので、これからの後半のトレッキングも期待してしまうわけですが、実はハードめな山歩きになります。
道が険しいわけではないのですが、着実に体力は奪われていき、後半は道も景色も単調になっていきます。最初にも言いましたが、茶屋があるわけでもなく、平日ともなると人も少ないです。蝉の声、風の音、葉っぱが落ちる時に周りの枝葉に当たる音が大きく響くこと、響くこと。何か動物でもいるのか、と思わせるくらい。
そういう単調なルートで、少しでも楽しませようとしているのか、所々に立派な木の彫刻があるんですよ。これはフクロウですが、他にも龍の彫刻が掘られたベンチなども見られました。

後から気づいたのですが、一つピークを見過ごしてしまいました。入沢山(標高 490m)。無意識に巻道に入ってしまっていたようですね。歩いている時には気づいていません(笑)。入沢山は天空のレストランと言われるくらい開けたところで眺望が素晴らしいらしいです、、、行きたかった。。
あと写真は撮り忘れているのですが、泰光寺山はちゃんとピークに立ちました。よければその様子はYouTube動画の方でご覧ください。

そして開けたところに出ました。三沢峠です。
ベンチとテーブルが充実していて、道も4つに分岐されていて、色んなルートの交差点のようなところですね。ここで30分ほど昼休憩としました。動画はこちら

三沢峠から梅の木平方向へ歩いて5分ほどのところに、6つ目のピーク榎窪山です。標高は420mです。特に見所もなく、このあと城山湖が見えてくるみたいなので、先を急ごうと思います。
あとは残すところ草戸山だけになりましたし、お昼も食べて元気があるので、歩くピッチも上がります。

標高364m、草戸山に到着です。城山湖が途中で見えていましたが、草戸山にはそれを見晴らせる展望台があるのですが、私が行ったこの日は、その展望台には立ち入れませんでした。もしかしたら最近はずっと入れない状態かもしれません。多分ですが、木製の展望台でメンテナンスが必要なのか、老朽激しく入れないようにしているのだと思います。

草戸山からは、都心の方も見える眺望もあります。動画はこちら
これで南高尾セブンサミッツを踏破、となります。(入沢山を忘れていたのは、また近々登りに行って帳尻合わせしておこうと思います)。

高尾山口へ戻る

このあと、草戸峠〜四辻〜高尾山口と戻ることになりますが、草戸峠からの高尾山の眺望は素晴らしいです。

南高尾セブンサミッツを歩いて、本当に楽しかったです。南高尾山陵というのがある、というのは知っていましたが、詳しくは知らず、セブンサミッツのようなコンテンツとなるようなものがあるとも知らず、関東ふれあいの道、というのも初めて知りました。
最初に触れましたが、高尾山の登山では物足りなくなってきた方には、静かで本格的な山トレッキングが楽しめるところがすぐ側にあった、というのは朗報ではないでしょうか。もっと私も早くに知っておければよかったと思っています。必ずまた訪れると思います。
夏場よりは、木の葉が落ちた冬場の方が、眺望もより期待でき、また違った楽しみができるかもしれませんし、逆ルートや、津久井湖の方から登ってみるとか、高尾山・一丁平を含んだハートルートの踏破であればバスの時間を気にする必要もないですね。
本格的なアルプスや百名山に登る方でも、ちょっと一日予定が開いた時にトレーニングがてら歩くにはとても良いコースだと思いますし、何せ人が少ないのが私にとっては魅力です。
ぜひ皆さんも、この南高尾セブンサミッツにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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