旅の始まり
1年前にグラベルバイクを買ったところから、今回の旅は始まる。コロナが突然やって来て、閉塞感のある世の中に何か抗いたいと思って、ロードバイクを買ったのが4年前。その時に買ったのはオーソドックスなロードバイク、キャニオンのアルティメットだった。この自転車は、私にとって初めてのロードバイクでもあり、ロードバイクの楽しみや、自転車に乗って遠くへ走りに行く楽しみを教えてくれた。すごく気に入っていたんだけど、自分がこれからどういう乗り方を楽しみたいか、と考えた時に、レースやヒルクライムではなく、自然豊かなところをのんびり走りたいなぁという思いが強くなってきた。時にはグラベルやトレイル、時にはキャンプツーリング、時には遠出しての旅のお供として。そうなると、自分にはグラベルバイクが最適なのかな、と思い始めた。そこで色々と検討して、どうせ購入するなら乗っててテンションが上がるカッコいいバイクが欲しいな、と思い、1年前に、キャノンデールのトップストーンカーボンレフティ1を購入するに至った。バイクの紹介は機会があればどこかでまたやりたいと思う。
購入したキャノンデールのトップストーンは最高で、キャニオンアルティメットに比べて乗り心地が良くて、思わず長い距離を乗りたくなるバイク。キャニオンアルティメットも素晴らしいバイクなんだけど、やっぱり硬いし、お尻よりも何より腕や肩の疲れが半端なかった。下り坂では後輪がちょっと滑る感覚があって怖かったりもした。グラベルバイクは太いタイヤをはけるし、チューブレス運用で、空気圧を3気圧入れなくても快適に走ることができるのが、乗り心地の良さにつながっていると思う。前輪のレフティフォークはサスペンション付きで、後輪もキングピンサスペンションがあるので、ちょっとした段差なんかは物ともしない。これは、舗装路を走っていても嬉しい、ということには乗ってみての発見だった。実は、一般道も端っこの方には側溝があって、側溝と車道の繋ぎ目に数cmの高低差があったり、細いタイヤだと結構怖い思いすることがあるんよね。それがグラベルバイクの太いタイヤだと安心だし、長い下り坂で滑る怖さもなかったりで、自分のライドスタイルにはフィットした感覚がある。
パッキングはトータルデザイン
キャンプの楽しみは、キャンプをする行動そのものよりも、気に入った道具を持っていて、それを使うのが醍醐味だったりもする。車で行くキャンプであれば、何でも好きな道具を好きなだけ持っていけばいいが、自転車だとなかなかそうもいかない。シート、フレームやトップチューブ、ハンドルバー、フロントフォークなんかにバッグを取り付けて、いかにギアを少なく、でも必須のアイテムは忘れてはいけないし、快適さも追い求めたい。このバランスがなかなか難しく、面白いところでもある。登山でキャンプする時と同じ感覚。UL(ウルトラライト)の世界観はとても魅力的ではあるけど、快適さを犠牲にしないといけなかったり、耐久性も汎用性もやや疑わしいし、何せお値段が張る。なのでパッキングのトータルデザインがとても大事。自分が何を大事にするか、何を持っていって楽しみたいか、どこまでどういったルートで行くのか、現地で調達できるものは何か、それから自分の体力とも相談しながら、トータルでデザインするのが大切だと今回思った。はっきり言って「沼」やね。
今回の私のパッキングデザインはこちら。
シートバッグ
オルトリーブ シートパック 16.5L
着替え、タオル、テント本体(ステラリッジテント2型)、フライシート
トップチューブパック
オルトリーブ フレームパックRCトップチューブ 3L
ランタン(スノーピーク ほおずき)、モバイルバッテリー、バーナー、ガス缶、メスティン
ハンドルバーパック
オルトリーブ ハンドルバーパック 9L
着替え、ジェットボイル
ボトルケージ
ミノウラのボトルケージ 3箇所
ウォーターボトル、ツールケース、エアマット
バックパック
グレゴリー ズール 30L
食器、焚き火台(TokyoCamp)、テントフレーム、シュラフ(モンベルダウンハガー650 #3)、
米1合、Insta360 x3
現地調達
食材、薪
距離
片道35kmくらい
思わぬ高気温によるダメージ
梅雨入り前の6月で、天気予報では30度を超える予報。30度超えは「勘弁してくれぇ」という思いだった。夏は、早朝の比較的涼しい時間帯に走ることはあっても日中の気温の高い時間帯に走ることはなかったので。この懸念は案の定、的中した。
大した距離は走っていないのに、少しの登り坂でもシンドくて、どんどん汗が吹き出てくる。アスファルトの照り返しもハードで、30度を超える日のライドは熱中症にも気をつけないといけない。子供の頃は野球部だったり、学生の時のバイトはガソリンスタンドだったり、真夏の屋外の暑さには耐性がある方だとは自負しているが、近年の暑さは舐めてはいけない。塩タブレットと水の補給を怠らずにツーリング。途中のコンビニや、食料を調達したスーパーマーケットで長めの休憩を取り、エアコンで体を冷やす。自然を楽しむ、とかワイルドなことを言いながら、ここは自分の体を大切に、文明の力に肖る。
それから荷物だが、自転車に取り付けたバッグはそこまで気にならなかった。トップシューブのバッグが多少、足に干渉するのはあったが、ここも詰めるものや詰め方で回避できるもの。ダンシングしても、そこまでシートバッグの揺れやハンドルの重さも気にならなかった。でも背中に背負うバックパックは注意したほうがいいことに気づいた。ロードバイクなので前傾姿勢がベースにはあるので、バックパックの重さを体幹全てで受け止めている感じになる。背中というよりは、背筋と腹筋全てに負荷がかかっている状態なので、これが疲れる大きな原因。できるだけ、バイクに取り付けたバッグに収納するのが大事で、軽量なものをバックパックで担ぐ、というのを基本としたい。
青野原野呂ロッジキャンプ場
今回は事前にはキャンプ場の予約はしていなかった。平日ということもあったし、道志エリアに行けばどこかしらのキャンプ場では泊まれるだろうし、体力や自転車のトラブルなんかでどこまで行けるかもあまり見えなかったので。その中でも有力候補だったのが、前から気になっていた青野原野呂ロッジキャンプ場か、温泉施設が隣接する青根キャンプ場か、どっちかかなぁくらいな感じで出発した。
考えながら走っている中で、30度超えで無理しては行けないと思い、距離的に10kmくらい近い青野原野呂ロッジキャンプ場に行くことにした。
予約はしていなかったけど、親切に受付と案内をしていただき、気持ちよくキャンプすることができた。自転車に乗った変な奴が来た、って毛嫌いされたりするかな、とかちょっと気にしていたけど、全然そんなことなく、むしろ自転車に興味を持っていただいたりして、いいキャンプ場に来たなぁ!と思った。
宿泊用の区画サイトと、デイキャンプ用の川沿いのフリーサイトがあって、おそらく川の増水の心配があるので、川沿いのサイトでは泊まれないようにしているのかと思うが、
天気の心配もなく、平日ということもあり、チェックアウトが早くてよければ川沿いのフリーサイトにテント張っても良い、と言って頂いたので、そうさせてもらうことにした。
目の前には綺麗な川があって、ごっつい岩壁があって、誰にも邪魔されないのんびりソロキャンプを楽しむことができた。
生ビールを買うことができ、量り売りで薪を買うことができ、気温は高かったが14時くらいには日陰になって、言うことなし。ご飯を食べたり、焚き火を楽しんだり、漫画読んだり、場内を散歩したり、時間が経つのが早く、満喫することができた。こうやって都内からサクッと手軽に大自然の中でキャンプできるこの距離感はいいね。また自転車キャンプで来たいと思った。
次の自転車キャンプに向けて
今回は、どれくらいの荷物でどれくらいの距離を走ることができそうか、なテストはできた。課題は、いかに背負うバックパックの荷物を減らせるか、ではある。あいにくレフティフォークにバッグを取り付けるのは無理、というか抵抗はあるので、全体量として減らす工夫は必要そう。気づいた荷物を減らす工夫を最後に書き残しておく。
直火OKのキャンプ場を選ぶ
後から知ったが、今回の青野原野呂ロッジキャンプ場は直火の焚き火がOKだった。そういうキャンプ場は少ないものの、焚き火台は持ってこなくてよくなるので、直火OKのキャンプ場を選ぶのはアリ。
ツェルト+銀マットで良さそう
今回持参したステラリッジテントもだいぶ軽量コンパクトな部類だけど、なんだかんだで嵩張るし、ツェルトでもいいかなと思った。今回使用したエアマットもULという名前がついている物だったけど、やっぱ嵩張るし、ちょっと重いので、銀マットでええかな、と。それから最軽量なチェアゼロを持って行ったが、これはあるとかなり快適ではあるので、次回も持っていくとおもう。ただ、キャンプ場の施設とか、レンタルできることも多いし、チェア類は優先度は下げてもいいかも。あと、食器は紙のお皿にしておけば使い終わったら焚き火で燃やすとかの工夫もできそう。
ゴミを捨てることができるキャンプ場を選ぶ
青野原野呂ロッジキャンプ場はゴミ持ち帰りが必要で、そういうキャンプ場はちょっと辛いかも。食材のゴミは小さくできるけど、缶やペットボトルは嵩張るので持ち帰りとなると厳しい。今回は家に帰るだけのキャンプだったのでさほどではなかったが、またどこか次の目的地があったりすると、ゴミ持ち帰りが必要なキャンプ場は選び辛くなるかもしれない。事前にゴミを少なくできるように工夫して荷造りすることで、解決できる部分はある。
参考になれば幸いです。
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