シートゥサミット 山形月山 での初開催に参戦!

じてんしゃ

初開催の山形月山大会

Geo Guesser というゲームをご存知でしょうか。ちょっと流行っているみたいで、一回やってみたらこれがめちゃくちゃ面白くて。どんなゲームかというと、すごくシンプルなゲームで、Google Map でランダムに世界のある場所のストリートビューが表示されて、そのストリートビューで映し出される街の風景を頼りに、一体どこなのかを当てるゲーム。店の看板に書かれた言葉、たまに映り込んでいる人の服装、走っている車のメーカー、木々の特徴など、得られるヒントからその場所を当てる。ロンドンやニューヨークなら分かると思うけど、南米の田舎町とかだと全く分からなくて。そのゲームをやっていたら、たまたま月山湖の近くが表示されて、国道の標識で誤差数kmで表示された場所を当てることができた。
そんなこともあって、今年は月山に何か縁があるのかな、と思っていたところに、まさかのシートゥサミットが月山で初開催するということをモンベルのWebサイトで知りました。

昨年2022年のびわ湖・東近江開催に続き、今年2023年は、山形月山開催のシートゥサミットに参戦することにしました。シートゥサミットにはなるべく年に1回は参加しようとは考えていて、日本各地を周るのを楽しみにしていますが、2023年は月山で初開催ということもあり、どんな大会になるのか楽しみなところと、7月下旬で日程も都合が良さそうだったし、何よりGeo Guesser との縁もあったので、思い切ってエントリーすることにしました。

山形は一度来たことがあって、多分10年くらい前に、このシートゥサミットの鳥海山開催に参加したときに、酒田市に滞在した記憶がある。ただ、ほとんど観光という観光もしていなくて、シートゥサミットに弾丸で参加して、弾丸で帰京した思い出があります。今回は少し観光気分も味わいながら、大会を楽しんでいきたいな、と。

ソロキャンプを楽しむ

シートゥサミット大会の前日に山形に車で入りました。夜中に東京を出発して、未明に蔵王に到着。早朝に蔵王山の登山を楽しんでから、西川町へ行きました。西川町は月山のある町で、このシートゥサミットの開催をバックアップしていただいていたり、初開催ということもあり、色々と大会参加者を歓迎して迎え入れていただきました。西川町っていう名前は初めて聞いたけど、一生忘れない町になりました。

大会前日の開会式や環境シンポジウムの参加を終え、この日の宿は、キャンプ場にしました。念願の久しぶり山ソロキャンプ。アウトドアを存分に楽しみに来ているので、そりゃキャンプでしょ、ということで、月山・弓張平オートキャンプ場 というめちゃいい感じのキャンプ場に泊まりました。
自分が滞在したのはフリーサイトで、他に誰もテントを張っていなくて、最高のキャンプだったけど、油断してブトに刺されまくった。大会中も、ブトに刺されたところは皮膚が硬く張って熱くなっていて、痒いといよりは痛い感じで、完治までは1ヶ月くらいかかってしまいました。。。ちゃんと長袖長ズボンで対策しないといけませんね。
いやでも、このキャンプ場はめちゃくちゃ気持ちのいいところで、また是非来たいと思いました。キャンプ場内にお酒が売っていないのはちょっと残念だったけど、これも翌日のシートゥサミットに向けて体調を整えるには正解だったかもしれませんね。ご家族キャンプにとてもオススメなキャンプ場でした!

不思議な数字を持つ月山湖でのカヤックステージ

月山湖は「112」という数字に縁があります。
・月山湖は国道112号線沿い
・月山湖が形成することになった寒河江ダムの堰堤は112m
・寒河江ダム建設で移転したのは112戸
・大噴水の高さは112m(これは国内第一位の湖上噴水の高さ)
・ダムの完成式典は11月2日11時20分開始
まぁ最後の二つは関係者が途中で気づいて無理やり合わせにいった説が高そうですが、これを聞くと月山湖のことも記憶に残りますね。

月山湖はカヌーの聖地のようなところで、カヌースプリント競技場があります。競技場としては全長1000mのコースを常設していて、観客席からこの1000mを見渡せる素晴らしいロケーションと設備を誇っています。ここでカヤックステージが行われて、シートゥサミット山形月山大会がスタートしました。
私はカヤックは苦手ではあるのですが、朝靄の中、湖面を漕ぎながら、大自然を楽しむことができました。今回のカヤックステージは確か5kmだったかな。私には程よい距離で、気温が高くなる前に漕ぎ終えて一安心。夏に開催される大会なので、熱中症には十分注意が必要です。大会とはいえアウトドアなので、基本的には自己管理能力も問われます。しっかり水分やエネルギーの補給も計算に入れなければなりません。

自分を試すバイクステージ

カヤックステージの次は、バイクステージ。月山湖でカヤックを乗り捨てて、自転車に乗り換えます。バイクステージのゴールは、月山の登山口である姥沢駐車場。距離13kmと短いですが、標高差は約800m。後半はかなりの急坂と聞き及んでおります。
宿泊した月山・弓張平オートキャンプ場は、このバイクコースの中腹にあって、キャンプ場がある弓張平公園はチェックポイント兼エイドステーションになっていました。バイクステージの勝負は、この弓張平公演から先、後半であることは間違いありません。しっかり水の補給と配布いただいた塩タブレットで熱中症対策をして、前に進みます。

中間チェックポイントを越えてまもなく、志津温泉街に入ります。ここではたくさんの方が声を出して声援くださいました。きっとシートゥサミットって何やねん、って思われていたと思うのですが、ありがたいですね。普通に車で走っている方にもわざわざ窓をあけて声援いただいたり、嬉しかったです。この志津温泉からは大きな山が綺麗に見えて、それが月山なのかと思ったのですが、どうやら月山の隣の姥ヶ岳でした。月山はその奥にあって、まだ見えないそうです。この時、ゴールはまだまだ果てしないと感じました。

そしてバイクステージ大詰め、後半の数kmの葛折の登り区間はなかなかの急坂で、普通のロードバイク、そして普通の参加者の脚だとギアが足りません。多くの出場者の方が自転車を降りて押して上がっていましたね(笑)。中にはバイクを押しながら走っておられる方もいらっしゃって、なかなかの強者でした。一方で、シートゥサミットは、チームであれば途中のチェックポイントで選手交代が認められていますし、Eバイクでの参加も認められていたりもするので、自転車でのヒルクライムに自信のない方でも大丈夫です。
私も全く自信はないんですけどね、一応それなりに日頃運動したり、山登ったり、自転車乗っているので、体力続く限りは電動の力は借りずに頑張りたいと思います。1時間45分くらい走りましたかね、姥沢駐車場のバイクステージゴールを迎えました。

ハイクステージは天国でした

私はよく、山を「天国」と表現します。いや、本当にここは天国だ、と実感するんですよね。現実離れした絶景、自然の美しさと静けさ、空の近さ、がそういった感覚にしてくれるのだと思います。山頂に至るまでの苦悩が人生そのものに置き換えられるからなのかもしれません。そして、月山も紛れもなく「天国」でした。

まずは、姥沢駐車場からリフトに乗って標高1510mまで上がります。このリフトに乗りながら見えてくる湯殿山や姥ヶ岳が壮大で、残雪が美しく、新緑と生い茂るニッコウキスゲが現実世界から遠ざけてくれました。リフトを降りてまもなく登り始めます。実は最初に見えてきた景色に一際高い山が見えたんですよね。でも、流石にシートゥサミットでカヤックと自転車でムチ打って走ってきた人にあの大きな山を登らせないだろう、その手前にある小ピークが月山山頂でしょ、って思ったら、どうやらあの大きな壁みたいな山が月山だということを教えてもらいました。「えぇ〜マジっすか、あれ登るんですか!?」と年柄もなく驚愕してしまいました。

コースとしては、リフトを降りてから月山に直登せずに姥ヶ岳を経由するように案内されました。このコース設計が粋でね、あとから気づいたのですが、月山へ直登するより、姥ヶ岳から月山への稜線を歩くところが本当に最高で、姥ヶ岳山頂から見える庄内平野は美しく、また途中で雪渓を横切ったり、月山の醍醐味を味わえるコース設計でした。私も地元の人だったら、このコースで登ってほしい、って思うでしょうね。昔の人がここを歩くと、そりゃあ神様を感じるよな、と心の底から思いました。山岳信仰が起こるのも理解できます。それくらいスケールの大きさと美しさを月山は見せてくれて、今までに登った山の中でも大好きな山になりました。

そして最後の登りです。なかなか厳しい急登が続きますが、人気の山なので、たくさん登山者もいて、そこにゼッケンつけて登ってくるシートゥサミット参加者に声をかけてくださって、ありがたかったです。「どっから登ってきたの?」と大会についての質問攻めされたり、「頑張れ」って応援していただいたり、しんどい時に本当に力になりますね。山登りは普段からやっていますが、ご挨拶を交わすことがあっても、応援されることはないので、声をかけていただけるとモチベーションも上がります。

自転車の途中から、もう早くゴールしたいって思っていたんですけどね、いざあともうゴールまで少し、となると、急に寂しくなってくるものです。あともう少し山を登っていたい、と気分は掌返ししながら、ハイクステージも無事ゴールしました。トータル4時間35分でのゴール、月山湖から本当に楽しい楽しい山登りでした!

ゴールした時に地元のメディアか、主催者の方からの写真撮影があって、なぜかウサギの帽子をかぶらされたんですよね。その時は何のこっちゃって思っていたんですが、どうやら、月山山頂にある月山神社では、ウサギ年にお参りすると、12年分のご利益があるようです。きっと、月だけにウサギが特別な扱いになっているんですかね。縁起の良いショットを撮影いただけました。そして、月山神社をお参りしてきました。シートゥサミットのゼッケンをつけていると、御祓い料を無料としていただけるとのことなので、ありがたくお祓いいただきました。ありがとうございました。

オマケ

下山して閉会式を終え、月山湖のそばにある道の駅「にしかわ」に立ち寄りました。そこには月山銘水館という温泉施設があって、そちらで1日のシートゥサミットの汗を流しました。今回は山形ラーメンを食べることができなかったので、道の駅でラーメンのお土産を大量に購入。帰宅してから食べましたが、本当にどれも美味しかったです。

そして、シートゥサミット山形月山開催2回目が、2024年8月31日〜9月1日に開催されます。全国で開催されているシートゥサミットの中でも、個人的に山形月山開催はおすすめです。ハードすぎず、といってもしっかりカヤック、ヒルクライム、日本百名山の登山が盛り込まれていて、ゴールした時の満足度はめちゃ高いです。残念ながら2024年は私は参加できないのですが、開催される季節によっても見える景色は違うでしょうし、またいつか必ず参加したいと思います。

シートゥサミットについては、2023年にびわ湖・東近江開催に参加した時のブログ記事、そしてYouTube動画もありますので、ご興味があればぜひご覧ください。

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