ぼくらが山に登る理由

やまのぼり

このブログの第一投めは、このタイトルにしました。
ぼくらが山に登る理由 です。
完全にオザケンのパクりですが、世代的に言いたくなるフレーズでして、ご勘弁ください。

一番最初の山の記憶

小学生にもなっていない頃だったと思います。家族と冬の金剛山に登っています。それが人生で初めて登った山です。小さな子供の頃に登った初めての山登りが冬山、というのは、今思えば驚きでもありますね。
東京の新宿以西に住んでいる多くの子供たちがよみうりランドに行くように、大阪中南部に住む多くの子供が金剛山に登ります。それも冬に。今もあるのかどうか分かりませんが、小中学で「耐寒訓練」という行事があり、真冬の金剛山に登るのです。それも薄っぺらい体操着とウインドブレーカーで。みんなそれなりの登山靴を履き、必須の持ち物にアイゼン。なかなか昭和はワイルドな時代です。
その小さい頃に初めて登った冬の金剛山では、私は歩けなくて雪遊び用のソリに乗って親に引っ張ってもらった記憶があります。もちろん、山が好き、という感覚もなく、その後何度も登る冬の金剛山ですが、寒くて辛い思い出が多いです。そりゃあ、山頂で凍ったおにぎりを食べるわけですから。ただ思いっきり雪遊びが出来た、という微かな記憶はあります。金剛山は標高1125mなのですが、海に近いからか、冬は結構雪が積もるんですよね。

再び山に登り始める

子供の頃に何度も登った金剛山ですが、それ以降、20年近くもの間、山には登ったことがありませんでした。ギアも持っていないし、山登りの知識もありませんでした。趣味といえば、旅行やスキューバダイビング。外で体を動かすことは好きだったかもしれません。
30代も半ばくらいになった頃、友人と飲んでて出た話だったと記憶していますが、「人生いつかは、フルマラソンと富士山にはチャレンジしたいよなぁ」と、体がまだ元気なうちにチャレンジしておきたいことを指折りながら話ししていました。そこでトレーニングというトレーニングもせず、無謀とも言えますが、その友人と富士山に登ることにしました。夜に登り始めて山頂でご来光を見る、というやつです。なんとか登頂しご来光を拝むことができましたが、本当に最後の数百メートルは、10歩歩いては10分休憩しての繰り返しで、酸素ボンベにすがっても、頭は痛いし、吐き気もするし、という最悪のコンディション。その証拠に、せっかくの富士登山の写真が一切残っていないんですよ。下山は下山で、石や土が靴に入って痛いし、膝は笑いまくり。
でも、数日後に富士登山を振り返った時に、ちょっと楽しかったと思えたんですよね。ほんとこの感覚、なぜなんでしょうか。それが今、山に登る理由、にきっとつながっている、と確信し、今回良い機会なので、自分なりに考えてみました。

山に登る理由

「自然が気持ちいい」、「見たこともない絶景」、「体を動かした後のご飯や温泉がたまらない」、「都会から離れて現実逃避」、「ストレス解消」、「登頂コレクション」などなど、色々言葉を探してみましたが、
私が山に登る理由として、しっくり来た言葉がズバリこれです、プチ冒険心
冒険って何やねん、ってところですが、Wikipedia によると、「日常とかけ離れた状況の中で、なんらかの目的のために危険に満ちた体験の中に身を置くこと」だそうです。「険(けわし)きを冒(おか)す」が語源。その精神のことを、冒険心というのだと思いますが、もちろん私のような、いち山登りの愛好家が使うには大袈裟感はあります。ですので「プチ」です。
実は、私はとても怖がりで臆病者です。高いところは苦手、ヘビや虫も苦手、暗いところも怖いし、痛いのも嫌いです。だからでしょうか、余計に冒険家と呼ばれるような方々に尊敬の念が強かったり、憧れが強いです。そういった方々にほんの少しでも近づいたかもしれない体験をしたときに、テンションが上がり、満足感が高いのだと自己分析しました。
登山家の方が大変な思いをして未登峰に登頂した時はどんな感情なんだろう。
ひと気のない森の中で野営する時って怖くはないんだろうか。
いつゴールに辿り着けるか分からない時に何をモチベーションに頑張れるんだろうか。
体力やスピードのために荷物の軽量化を追求したときに何を選択し何を切り捨てるんだろうか。
お腹が空いて唾も出ないくらい体を酷使した時に食べる非常食はどんな味なんだろう。
このような冒険あるあるシーンを自分の身の丈にあった範囲で体験したい、と言う思いが、私が山に登る理由、と言えます。
うまく言えたかどうか分かりませんが、割と共感していただける方もいらっしゃるんじゃないかな、と。

おまけ

モンベルの会長である辰野さんが小学生の頃、お体が強くなかったそうで、学校行事の金剛山への耐寒登山に参加できなかったそうです。でもその悔しい思いが、のちにアイガー北壁に登頂されるまでに至った、と言うエピソードを聞いたときに、とても勇気が沸きました。
自分の山登りのルーツにもなったその金剛山ですが、20数年ぶりに登りました。山頂の様子は当時のままでした。
凍えながらここでおにぎり食べたなぁ、とか、この傾斜をお尻で滑って降りてたわぁ、とか、この目印を見て山頂まであと少しと力を振り絞ってたなぁ、とか、ここでふざけて先生に叱られた、などなど思い出が甦り、終始懐かしかったです。

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